アレクサンダーテクニーク

プロの朗誦家であったFMアレクサンダー氏(フレデリック=マサイアス=アレクサンダー)は、失声という俳優としては致命的な症状に見舞われました。その窮地から抜け出し声を取り戻す過程の中で、人間に普遍的な原理を発見しました。

彼が発見したこととは、自分が朗誦しようとすると・・・

・・・頭を引き下げて後ろにやること・喉頭を押し下げてつぶすこと・口から音がするほど息を吸い込んであえぐように聞こえるやり方をすること・・・

F.M.Alexander著『自己の使い方』より

 これらが声のかすれを起こした原因ではないかと考えたのです。

そして意識的に調整することで、彼は声を取り戻すことができ、
それに加えて生まれつきと思っていたいくつかの症状も、すっかりなくなっていました。

 ここから始まったワークを、彼自身は「建設的に意識を用いて自己調整する手法」などと言いました。そしてお弟子さんたちが創始者の名前をとって「アレクサンダーテクニーク」と呼び、その名前が世界的に広まりました。

しかしウォルターカーリントン氏は「人類の最高遺産」の序文において

彼にとっては意識的な指導と調整こそが重大案件でしたから、
「人類の所有する素晴らしい潜在能力が発揮されるように得心すること
であり、それは伝達可能な遺産として意識的なこころを理解することだ」
と明言しています。

 F.M.Alexander著『人類の最高遺産』ウォルターカーリントン氏序文より



 FM氏が失声という窮地から抜け出すために調べたこと
A普段しゃべっている自分
B朗誦している自分
この2つに何か違いはないか?鏡を前に観察を始めました。

これにより彼は、朗誦時にやっている3つの習慣に気がつき、それをやめていくことにしました。起こってから、「やめる」ことを繰り返していても「卵が先か鶏が先か」の論争と大差はありません。
起こることがはじめからわかっているならば・・・

1)抑制する

 それをやるずっと前から抑制します。
彼の場合は朗誦しようとすると3つの習慣が起こるため、そのずっと前から抑制します。

2)投影する

継続して抑制することにより、私たちの生体内に備わっているプライマリーコントロール(初めに起こる大事な調整能力)の方向へ向かい、新しく改良された使い方で機能し始めます。

3)継続して投影する

自分を信頼しながら、継続的に抑制していきます。
望ましい方向へ機能しながら目標の方向へ向かい結果に至り、目的を遂行します。

 FM氏の場合は、朗誦(声を出そう)しようとした時3つの習慣が起こったことを発見したのですが、ピアニストがピアノを弾こうとした時、陸上選手が走り出そうとした時、日常生活においてイスから立ち上がろうとした時などさまざまな状況において同じようなことが起こっていることでしょう。
ワークを通じてご自身について学び実践していくことで、問題解決・目標達成の方向へ進んでみませんか?

こんな方が受講しています

  • 肩こり・腰痛・精神的なストレスなど心身の不調の方
  • 音楽・演奏において問題を抱えていたりもっと演奏がうまくなりたい方
  • ダンス・演劇などで問題を抱えていたりパフォーマンスを向上したい方
  • スポーツでの心身の不調・スキルアップ など